第7回グッドライフアワード(環境社会イノベーション賞)を受賞しました
第7回グッドライフアワード(環境社会イノベーション賞)を受賞しました。
グッドライフアワードは、環境省が提唱する地域循環共生圏の理念を具現化する取組を表彰し認知を広げるためのプロジェクトです。環境と社会をよくするSDGsを体現する取組を「環境大臣賞」として幅広く表彰しています。当店は、環境保全に貢献しつつ、優れた社会イノベーションを実現する取組を表彰する「環境社会イノベーション賞」を受賞しました。
取組の紹介
約8年前、大阪府最北部、能勢町(約8割が山林)の中山間地にある休耕地を借り受け、能勢町発祥 【銀寄栗】 の栽培を始めました。 収益効率が悪いため、担い手不足の中山間地。 当店が、栽培・購入・加工・販売までを一貫することで、これまで市場に出せなかった規格外の栗に高付加価値を付与し、収益性向上や人手不足解消の一助となっています。 当栗園内には、大阪府レッドリスト絶滅危惧種Ⅰ類に指定されている「キマダラルリツバメ」や、タガメ、 アカハライモリ等、希少生物の生息が確認されています。 百年先も彼らと共存すべく、農薬・化学肥料を使わず、店の残さも堆肥化して利用。 栽培当初から、銀寄栗を取り巻く現状の周知を目的として、ブログやSNSでの情報発信を行い、また、当店近隣都市部のお客様を対象に、自然観察会等、様々なイベントを定期的に開催。 作業ボランティアなど、里山保全に参加されるきっかけにもなっています。
活動のきっかけは?
約270年前、能勢町で生まれた銀寄栗。今でも高品質の栗ですが、生産量は減少の一途。 (平成2年~17年の僅か15年間だけでも2割減 ※大阪府発刊くりア・ラ・カルト6頁より) 害獣被害や異常気象等による、慢性的な供給量不足。増産へ向けて、生産者さんに相談したところ、「一番の原因は後継者不足、自分で栗を育ててみなはれ。」とおっしゃいました。 全てはこの一言から始まりました。2回断りましたが3回目で決意しました。
問題解決のために取り組んだ方法
銀寄栗栽培を中心とした里山保全で、最も課題としていることは、「これから百年先も続けられること」。 昨年、これまでの活動が地権者さんに認められ、園地の購入(約1.3ha)を打診されました。 小さな和菓子屋として、そこまで踏み込んでも良いものかと悩みましたが、経済活動として管理ができる当店がやらずして誰がやるのか?との思いから購入に至りました。 高効率化すべく、重機を使い、園地の拡大・作業道整備・水路の確保に取り組んでいます。 同時に、マンパワーを近隣の都市部から、里山部へ集める仕組みづくり(自然観察会や、収穫体験等)を、大学や役所等と連携し続けていきます。
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事
コンビニや大手資本の本格参入で、小さな菓子店の経営は、益々厳しくなると思われます。 同じく、中山間地での農業も、経済効率の悪さから、過疎化・里山崩壊が加速すると思われます。 「大量生産できない良いモノ」を少しずつ作り、価格競争に左右されない独自商品や独自体験が、明暗を分けます。 小さな菓子店と中山間地での農業、相互に補い合うことで、互いのブランド力向上、更には、里山保全への光が射すと信じています。
プロフィール
大阪府吹田市で和菓子一筋50年以上、地元の方々に支えていただいています。 先代が創業し、家族だけで営む、町の小さな和菓子屋です。 都市部のイメージが強い大阪。大阪産の食材を使った和菓子づくりを心掛けています。 創業当時から手作りの和菓子を、少しずつ。 当店の和菓子を通じて、大阪産農作物の魅力を感じていただければと思います。
詳細はこちら⇒環境省グッドライフアワードホームページ
当店の栗栽培ブログはこちら⇒津村屋銀寄プロジェクト