木型展に行ってきました~\(^o^)/
今年の春から、大阪・吹田の万博記念公園にある「大阪日本民芸館」で、
「菓子木型の世界展」が開催されてました。
一応菓子屋の端くれとしては、とても興味があったので、ずっと行きたかったのですが、
近くだからいつでも行けるわ~と思いつつ、行けずでした(^_^;)
ふと、検索してみると、開期が間もなく終了ということで、慌てて行ってきました~♪
となりにある国立民俗学博物館へは行ったことがありますが、民芸館は初めて。
建物は前回の大阪万博に建てられたもの。
木々が生い茂り、なかなか重厚な雰囲気…
残念ながら、館内は撮影禁止でしたので、どんな木型があったのかは写真で紹介することはできませんが、
それはそれは、立派なものばかり。
ゆうに1メートルは超える大きさの「鯛」の木型は圧巻‼
だいたいはおめでたいときに使う縁起物が多く、松竹梅、鶴亀、鯛、富士山、翁、媼、…等々。
当店にもいろいろありますが、
近頃は、木型を使ったお菓子の需要が無く、ほぼ飾りになってしまっています(^_^;)
たまに和菓子屋さんで、実際に店内の飾りとして、ディスプレイしているのも見かけるほど…
確かに工芸品として見るのも、それはそれは、立派なモノですので、見応えはあります。
でも、菓子木型というのは、長い歴史の中で、お菓子作りのために、培われた技術の結晶なんですよ(^^)
その技術が、今途絶えようとしています。
かつては、各都道府県に木型師が数人いて、大阪にも勿論いらっしゃいました。
僕が幼い頃には、父がちょくちょく木型師さんのもとへ、打ち合わせに行ってました。
当時の僕は4~5歳くらいかな…
父に付いては行くんですけど、決して木型師さんの仕事場へは入れてくれませんでした(^_^;)
ずっと木型師さんの仕事場の前に停めた車の中で待ちぼうけ…
たぶん2時間くらいは待ってたんじゃないかな?
置いてきぼりにされたんじゃないかと、不安になる程でした(^_^;)
それから僕も和菓子の道に進み、
幾度か、木型師さんとお会いすることがあり、「置いてきぼり」の謎が解けました。
木型師さんは目の前の木(山桜が多いそうです)に向き合い、木の目を読み、自らの技術を突き詰め、没頭するんです。
それはまさに何者も寄せ付けない雰囲気で、別次元の世界と言いますか…、
今向き合っている木型がひとつの世界という感じ。
まぁ、今思えば、そんな雰囲気のところに、子供がガチャガチャ遊んでたら、仕事にならないでしょうね(^_^;)
館内で流れてたDVDを見ていましたが、
その中で、
もう今の時点で、全国には数人の菓子木型師しかいないんだとか…
時代の流れと言えば、それまでかもしれませんが、このまま、菓子木型の文化が途絶えてしまうのかと思うと、寂しい限りです…
ここまでに至ったのは、我々、菓子職人の責任なのかもしれません。
菓子職人が、木型の素晴しさをお客様に伝えられてない、更には伝える努力すら怠ってきたように思います。
今だからこそ、菓子木型の魅力をお客様に伝えられるんじゃないかなぁ……。
ここは前向きにm(__)m