大阪カステラ~大阪菓子天衣良(おおさかかすていら)~大阪ミュージアムショップ 5
去年のつづきです。
米粉でつくったカステラ、味が淡白すぎるので砂糖で風味を引き出そうと、黒糖に近い砂糖でつくってみました。
すると、全然ダメなんです。
浮かないんです。
カステラの語源(諸説ありますが)は、作る際にお城(CASTLE)のように高く膨らんで欲しいという願いからきていると言われています。
ところが、いくらお城のように高くなれと願おうが、全然膨らんではくれません。英語かポルトガル語じゃないとアカンのかな?
ダメでした。
風味や味は改良すれば、狙い通りにうまくいきそうです。
やっぱり黒糖の風味はやさしくておいしいです。
ただ、食感はサッパリ。アキマヘ~ン!!
いくら、配合比率や焼き方を変えてもお城のようには高く浮かない。
何回試作したことでしょう。
あまりにも望みが持てない出来に、幾度辞めようと思ったことか。
幾度妥協しようと思ったことか。
毎日、何をしててもカステラのことばかり考えてました。
それでも「大阪ミュージアムショップ」のオープンは着々と近づいてきます。
砂糖など原材料をもう一度、一から検討し、より「美味しい」味、バランスを整え、あとはただ、ひたすら「浮いて~!!」と祈りながら試作を繰り返すのみ。
でも、浮かない。
「もう、アカン・・・。」疲れもピークに。
うまく焼ける方法がきっと何かあるはず。
・・・・、でも浮かない。
いつものように試作をしていたとき、製造工程でちょっとしたミスをしてしまいました。ミスしたものを焼いてもうまく焼けないでしょうし、焼くことをためらいましたが、そのまま焼いてみました。
ミスも、たまにはしてみるもんですねッ!!
フタを開けてビックリ!!
「お・お・お、お城や~!!」と、口に出したかは覚えていませんが、
まさに、お城のようにふっくらと高く焼きあがったカステラが出来ていたんです。
よく、偶然の失敗が奇跡を呼ぶと言われています。
エピソードとして、清酒づくりの話が有名です。
まさに、奇跡だと思いました。
失敗は成功の源。
勉強させていただきました。